というのは、いつも、日本に帰ってくるたびに、今度は違うところに行くぞとおもうものの、なにか忘れ物をしてきている気がして、また戻ってしまう。そして、戻るたびに新しいものを発見してしまう。この、発見がまたなんともいえなく私を幸せにしてくれるから、ついつい、また行ってしまうというわけだ。 また、年をとるにつれて、見方も変わってくると発見するものもかわってくる。たとえ同じ国の同じ町の同じ場所に行ったとしても「あれ、こんなことがあったんだ」と、また新しい発見がある。だからこそ、何度も何度も同じところへ行きたくなってしまう。 ロンドンに行ったのは今回が初めてではなかった。しかも、今回は「旅」ではなく「生活」というまた、違ってところからロンドンがみられるとあって私はどんな発見が待っているかとわくわくしながら私のロンドンでの生活ははじまった。 たくさんのロンドンが持つ顔をみつけていくうちに、私はなんだかすごいものを発見してしまったような気がすると思ったのは、ロンドンに住んでから5ヶ月目にはいったくらいの1月ごろからだった。ロンドンの冬といえばはっきりいって、最悪だ。午後4時も過ぎれば真っ暗だし、朝も8時くらいにならないと明るくはなってこないし、本当に日照時間が少なくて憂鬱になりそうなくらいだった。私が憂鬱にならなかった最大の理由はなんと、ブラジル人だったような気がする。いや、そうだったのだと思う。 ロンドンに来たのは初めてではないといったが、こんなにたくさんのブラジル人がロンドンにいるとは思いもしなかった。勉強している人、働いている人、旅行できている人、とにかくいろいろな人がいたような気がする。そのせいか、毎日のように、ラテンバーではBrazilian Nightでもりあがっていた。そこには、たくさんのブラジルものがあった。Brazilian music, samba, lambada, pagode, caipirinhaなどなど。もちろん、たくさんのGostosa Brazilian Girls つまりgatinhasもいた。 たとえ、月曜日だろうが火曜日だろうが関係なくクラブは満員だった。しかも、12時を回ってもいっこうに帰るけはいはなく、踊りつづけていた。はっきりいって、私は彼らの踊りをみてただ呆然と立ち尽くすだけだった。でてきた言葉は、「I really admire their nature talent to dance!」だけだった。いったいあんな細いからだのどこからパワーが出てくるんだろうと思うくらいダンス、ダンス、ダンスととまることなく踊りつづけていた。友達のブラジル人が踊るコツをおしえてくれた。「you know, what important thing to dance is to shake your bumda(hip) as much as you can!!」そういわれても、そんなダンス踊ったこともない私にとっては英語より難しかった。 何とか、お尻というか、腰を振ることをマスターした後に彼女がまたつけたすようにいった。「then you need to combine your footstep」だった。いっけん簡単そうに聞こえるだろうがこの、腰を振って、足のステップもつけるというのは本当にむずかしかった。 彼らは生まれたときから踊っているし、そのリズムはきっと彼らの体の中から自然とわいて出てくるものなのだろうから。それゆえに、真似をするというのは不可能なものだったと思う。真似するのが不可能だったら、じゃあ、いったいどうすればと考えたら答えは簡単だった。踊っているときは自分はブラジル人だと思えばいいのだと。つまり、踊っているときは、私はブラジル人だと思い込んで踊ることがコツなのではと。下手だろうが、何だろうが、とにかく「楽しく踊る」というこの楽しくが大切なのだとさっそく試してみると、これがわりとうまくいった。 まあ、うまくいったの度合いは「日本人にしては」という前置きがあったかもしれないが。そして1度このBrazilian nightにはまってしまい、この味を覚えてしまったら最後、もう他のクラブでは満足できなくなってしまった。それは、なにも私だけではなく、私の友人たちも同じだった。英語でいえばこうだろう。「Once you taste a fucking nice ice cream you can not be satisfied with normal one!」そして、この楽しくは踊りだけにあたはまったのではなく、生活にもあてはまっていたようなきがする。だからこそ、憂鬱なロンドンの冬もこせたような気がする。 Brazilian Night 情報(1999年7月上旬現在)
月曜日 Bar Madrid (Oxford circus駅の近く) くわしい住所などを知りたい人は trainspotters69@hotmail.com にメールをくれれば詳しい情報をおしえます。
|