[闇を抜けて:]
闇を抜けて
「君はずっと同じままだね」 7年ぶりあった友人が相も変らぬ僕の暮らしぶりに驚きの表情を見せた。 普通、年をとればそれなりに出世をし、暮らしはよくなるはずである。 実際、会った友人たちは社長や部長になって一線で働いている。 いっぽう、僕はずっと同じまま、つまり、ずっと貧乏のままである。 努力が足りないのか? 運が 足りないのか? あるいはその両方か? 闇を抜けるのはいったいいつのことなのだろうか?